(6)会場の選び方


さて。落語会を開く上で、大切な要素は「どこでやるか」という会場選びです。

 

集客したい人数・作り上げたい空間・交通の便の良さ・予算など、さまざまな条件がからんでくると思います。

また、既にスペースなどを自前で持っているという方、いや、スペースがあるから落語会をやろうと考えた方、おめでとうございます。 


落語会をやる会場を選ぶ上で、それぞれの良い点◎と悪い点●、注意すべき点△を箇条書きで書いてみます。

 

◇ホール

 ◎音漏れが無い。外の音が入らない。

 ◎客席がしっかりしている。

 ◎楽屋が整っている(場合が多い)

 ◎落語のための備品が用意されていることが多い(座布団・屏風・毛せんなど)

 ◎交通機関・駐車場などが完備されている

 ●借りる手続きが面倒。 (これは公共施設の場合はたいていそうですが)(注1)

 ●開始・終了時間が厳格。(上に同じ)

 ●音楽専用ホールの場合、反響が話芸に適さない場合がある。

 

◇座敷・和室

 ◎落語に似合う空間を作ることができる。

 ●座布団席のみでイス席が作れない場合、年配の方が座りづらい場合がある。

 

◇会議室

 ◎ホールより安い。

 ◎交通の便が良い場所にある場合が多い。

 ●やや殺風景

 ●落語のための備品などは自前。

 ●高座・イスのセッティングが必要な場合がある。

 ●音楽演奏不可となっている場合が多く、三味線が使えないことがある

 ●建物の作りによっては防音への考慮がなく、外の音が入りやすい

 

◇神社・仏閣(寺)

 ◎落語に似合う和の語りの空間を作ることができる。

 ◎多くの人が集まっても大丈夫

 ●通常、地縁・人脈などが無いと借りるのが困難

  

◇公民館(公営・町内会など)

 ◎利用料金が安い

 ◎気軽に利用できる

 ●落語会をやるための設備や準備は無い場合が多い

 ●別のフロアの音が漏れる場合がある

 ●町内会の公民館の場合は、地縁や人脈が無いと利用が難しい

 

◇カフェ・店舗・フリースペース

 ◎少人数で親密な空間を作ることができる。

 ◎(飲食店・カフェ)飲食を提供できる。

 △(同上)飲食セットでの会が原則の場合がある

 ●スペースの都合で、演じづらい・聞きづらい状況が生じる場合がある

 ●楽屋の用意が難しいと、着替えなどに支障がでる場合がある

 ●スペースの持ち主の都合が最優先となる

 

◇屋外スペース

 ◎解放感がある

 ◎人数が増えても融通が効く

 ●音響のしっかりとしたセッティングが必要

 ●演者への負担が大きい

 ●天候の急変・騒音などへの対応が難しい

 

◇個人宅

 ◎親密な空間を作ることができる。

 ◎日時・時間設定が自由。

 ●人数が増えると、駐車場・靴置きのスペースなどが足りなくなる場合がある。

 

これ以外にも、さまざまな会場があり、それぞれに良い点と注意すべき点があるのはもちろんです。


そこが落語会を開催するのに向いているかどうかを判断する基準のひとつは「二回以上、そこで落語会を開催したことがある会場」です。一回だけだったら使えずにやめた、という可能性もありますが、二回以上やっていたら、落語会を開催することができる場所であると判断するひとつの材料になります。

そして、もちろん、落語会会場を探す時は、自分で足をそこに運び、周辺の状況や担当者の方の対応を確認した上で、そこでやるかどうかを決めましょう。

 

(注1)そのほか、申込は直接来館で(電話・web不可)・個人名義での申込はできない場合がある目的や入場料の有無によって利用料金が変わる・ゴミはすべて持ち帰る必要がある・書類の作成が必要など