(9)お金のおはなし


 

依頼をする前に、大切なことをひとつ。

「お金は用意できていますか?」 

 

あたり前のことなのですが、落語会を開くにはお金が必要です。

出演してくださる方にギャラや交通費を払うにも、会場を借りた費用を払う際も、準備をするので備品を買う時にも、それぞれの段階でお金がそれぞれかかります。

 

「入場料の収入でギャラを払います」。

もちろんその通りです。考え方は正しい。

ですが、当日、ご来場のお客さまからいただいたお札や細かいお金で払ってもらったお金をそのままギャラとして袋詰めしてお渡しする、というのは現実的に困難です。
そんなことを当日会場でやったら会の収支会計がめちゃくちゃになりますし、主催者としてそんなこまごまとしたことをやっている暇はない。だいいち、落語を聴くどころではなくなる。

 

ふつうの落語会の場合、ギャラはしかるべき金額を、お札で封筒に入れて準備しておくものです。

つまり、最低でもそれだけの金額は事前に用意しておかないといけません。

そして、お客さまの入りが少ない場合は、その用意したお金より少ない金額しか手もとに戻ってこないリスクもある。

もし、そうなったとしても、大丈夫ですか?

落語を引き続き楽しむことができますか?

入場者数が少ないからといって、出演者に渡すギャラや交通費を少なくするのはNGです。


地道に続いている地方の落語会の主催者は、多少の赤字を見込んだ上で開催しているケースが多いです。

そこまでゆかなくても、おさいふに、通帳に、落語会を安心して開けるだけのそれだけのお金、入っているでしょうか。